【11月15日 AFP】エチオピア北部ティグレ(Tigray)州の州政府与党「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」は15日、隣国エリトリアの首都アスマラの空港をロケット弾で攻撃したと明らかにした。エチオピアの紛争が「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれる地域の周辺国にも拡大する恐れが高まっている。

 外交筋は14日、複数のロケット弾がアスマラの空港近くに撃ち込まれたとAFPに語った。だが、ティグレ州やエリトリアでは通信が制限されており、こうした報告の検証が困難となっている。

 昨年ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したエチオピアのアビー・アハメド(Abiy Ahmed)首相は4日、ティグレ州での軍事作戦を命じ、TPLFとの長年の対立を一気にエスカレートさせた。

 TPLFを率いるデブレチオン・ゲブレミカエル(Debretsion Gebremichael)州大統領はAFPに対し、「エチオピア軍はアスマラの空港も使用している」と指摘し、空港が今回の攻撃の「合理的な標的」となった理由だと語った。

 TPLFはこれまで、アビー政権がエリトリアから軍事支援を受けていると非難してきた。だが、エチオピア政府はこれを否定している。

 エチオピアとエリトリアの両政府はこれまでのところ、攻撃に対する反応を示していない。

 国際人権団体のアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が「大虐殺」があったと報告するなど、紛争ではこれまでに数百人が死亡したと伝えられている。また戦闘や空爆から逃れるため、ティグレ州から数千人が隣国スーダンに避難している。(c)AFP