【11月15日 AFP】エジプトは14日、首都カイロ南方のサッカラ(Saqqara)遺跡で2500年以上前の古代のひつぎが100基超発掘され、今年最大の発見になったと発表した。

 大量のひつぎは木製で、深さ12メートルの穴3か所から封印された状態で出土した。古代エジプトの末期王朝やプトレマイオス朝時代の高官のものとみられている。考古学者がひつぎの一つを開いたところ、色鮮やかな象形文字を施した埋葬布に包まれたミイラが姿を現した。

 十数基のピラミッドや古代の宗教施設、動物の埋葬地を有するサッカラ遺跡は、古王国時代の首都だったメンフィス(Memphis)の大規模墓地(ネクロポリス)で、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されている。

 ハリド・アナニ(Khaled al-Anani)観光・考古相は、ひつぎとミイラを公開する記念式典で「サッカラ遺跡はまだ発掘され尽くしていない。宝だ」と語った。

 出土したひつぎは、ギザ台地(Giza plateau)に今後オープンする大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum)を含めた国内の博物館数か所に収蔵される。大エジプト博物館は有名なギザのピラミッドに近く、数回の延期を経て2021年の開館が予定されている。

 エジプトは考古学上の発見物が観光業を活性化することを期待している。観光業は2011年の反政府デモから現在の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)まで、さまざまなショックに見舞われている。(c)AFP/Sally Kandil with Menna Zaki in Cairo