【11月12日 AFP】米大統領選で当選を確実にしたジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領は12日、日韓豪の首脳と電話会談し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下でほころびが生じた同盟関係の修復を約束するとともに、相互防衛協定を再確認した。

 トランプ大統領はいまだ大統領選での敗北を認めていないが、菅義偉(Yoshihide Suga)首相、文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)韓国大統領 、スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相はいずれも既にバイデン氏の勝利に祝意を表明している。

 日本政府関係者によると、菅首相は、日本の周辺地域の治安が「厳しさを増している」と述べ、バイデン氏に強い警戒感を伝えた。

 一方のバイデン氏は、同氏の政権移行チームによれば、菅氏の率直な警告に対して「日本の防衛」と数十年の歴史を持つ日米同盟の義務への「深いコミットメント」を表明した。また、日米安全保障条約が尖閣諸島にも適用されることを確認したとも報じられているが、これは尖閣諸島の領有権を主張する中国の反発を招く可能性がある。

 文大統領との14分間の電話会談では、バイデン氏は米韓同盟を地域の「治安と繁栄の要」だと評価し、北朝鮮問題や気候変動など「共通の課題」に協力して取り組んでいくと約束した。韓国大統領府(青瓦台、Blue House)は、バイデン氏の大統領就任後「できるだけ早期に」米韓首脳会談を行うことで両首脳が合意したと発表した。

 モリソン首相との電話会談では、来年予定されている米豪安保条約締結70年の記念式典への招待をバイデン氏が受諾。同氏はまた、豪保守政権が後れを取っている「気候変動問題への取り組み」の重要性を指摘したという。(c)AFP/Andrew BEATTY