【11月10日 AFP】卓球の女子ワールドカップ(2020 ITTF Women's World Cup)が中国・山東(Shandong)省威海(Weihai)市で8日に開幕し、世界各国の選手21人が3日間の大会に臨んでいる。新型コロナウイルスの影響で8か月の中断を余儀なくされていた卓球の国際大会が無観客ながらも再開され、トップ選手は緊張と体のなまりを感じつつも喜びを口にした。

 卓球界最高峰の大会が開催されたことは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で全スポーツが打撃を受けていたことから、とりわけ大きな意味を持つものになっていることに加え、7月に年内の国際大会開催は難しいとの見解を示していた中国にとっては特に異例の措置とみられている。

 また、今大会は卓球のトップ選手にとって、来年夏に延期された東京五輪を見据えての競争力の立て直しと、世界ランキングのポイント獲得のために極めて重要な機会となっている。

 今大会の初戦で、ウクライナのマルガリタ・ペソツカ(Margaryta Pesotska)に敗れた24歳のリリー・チャン(Lily Zhang、米国)は、「みんなかなり緊張していたから、誰かサーブをミスするだろうと試合前に冗談で話していたほどだった」と明かした。

「試合に負けて最高の気分でないのは確かだけれど、明るい面としては、ここに来て大会に参加できたのをとにかく喜んでいる」「選手全員が今年は実戦練習ができず、3月から国際大会もなかったから、みんな少し緊張していたし体の動きも少しなまっていた」

 ウイルスが大流行している中で再開した他の多くの競技と同様に、選手をはじめコーチや大会関係者は感染防止対策として安全な隔離環境「バブル」にとどまっており、中国に到着した後も隔離を余儀なくされていた。また、統括団体の国際卓球連盟(ITTF)は9月、選手がボールに息を吹きかけることや試合後に握手することを禁止する方針を打ち出していた。

 世界最強の卓球大国である中国の本土では、今週から男子のワールドカップが同じく威海市で行われ、19日から22日には河南(Henan)省鄭州市(Zhengzhou)でITTFファイナル(2020 ITTF Finals)が開催される。(c)AFP