【11月8日 AFP】インドをルーツに持つカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏(56)が米大統領選で副大統領当選を確実にすると、インドにある同氏の祖先の故郷でも8日、人々が爆竹を鳴らして祝福した。ハリス氏が米国に歴史的かつ「誇り高き節目」をもたらしたと称賛の声が上がっている。

 インド南部チェンナイ(Chennai)出身の乳がん研究者、シャマラ・ゴパラン(Shyamala Gopalan)氏を母に持つハリス氏は7日、ジョー・バイデン(Joe Biden)次期大統領と行った勝利演説で亡き母に敬意を表し、母は「このような瞬間が米国に訪れると深く信じていた」と語った。

 ハリス氏の母方の祖父P.V.ゴパラン(P.V. Gopalan)氏がかつて暮らしていた南部タミルナド(Tamil Nadu)州スラセンドラプラン(Thulasendrapuram)村では、住民たちが爆竹で祝福し、寺院で祈りをささげ、ハリス氏の顔写真を張ったポスターを掲げた。

 村の女性たちは、ランゴリと呼ばれる砂絵で「カマラ・ハリス、おめでとう」とメッセージを送り、地元の主婦はAFPに「女性たち全員にとっての誇りです」と語った。

 ハリス氏のおじで学者のバラチャンドラン・ゴパラン(Balachandran Gopalan)氏は、ハリス氏の成功を常に信じていたとコメント。首都ニューデリーでテレビ局「ウィオン(WION)」の取材に応じ、「彼女が勝つと思っていたから、ほっとしている。昨日も彼女にそう言ったんだ。緊張はもうほどけた」と語った。

 ゴパラン氏はまた、インドに住むハリス氏の家族が、副大統領の就任式に出席するため渡米する予定であるとAFPに述べた。

 インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は8日、バイデン氏の勝利を祝福し、ハリス氏は「非常に大きな誇り」だとたたえた。

 モディ首相はツイッター(Twitter)に、「あなたの成功は先駆的であり、あなたのチッティだけでなく、すべてのインド系米国人にとっても大きな誇りだ」と投稿。「チッティ」はタミル語の「叔母」の愛称で、ハリス氏は民主党副大統領候補の指名受諾演説の中でこの言葉を使っていた。(c)AFP