【11月5日 AFP】中米ニカラグアを直撃した「カテゴリー4」の大型ハリケーン「エータ(Eta)」は4日、隣国ホンジュラスへと北上しつつ勢力を弱めて熱帯低気圧となった。ニカラグアでは甚大な被害が出ており、両国でこれまでに少なくとも3人が死亡している。

 エータは3日、風速約58メートルの強風を伴ってニカラグアに上陸。塀や木々を倒し、民家の屋根を吹き飛ばすなどの被害をもたらしつつ、沿岸部をホンジュラスへと北上した。

 米国立ハリケーンセンター(NHC)は4日、エータが熱帯低気圧になったと発表したが、中米の一部には「命の危険がある急激な増水」に引き続き警戒するよう呼び掛けている。

 ホンジュラスの緊急事態対処常設委員会(COPECO)によると、エータの進路に当たる地域で約3000人が避難している。首都テグシガルパ北方のエルプログレソ(El Progreso)では刑務所が浸水被害を受け、当局は受刑者約700人を避難させた。また、当局によれば民家が倒壊し、子供1人が死亡した。

 ニカラグアでは、北部沿岸で複数の集落が高波にのまれるなど貧しい先住民地域が打撃を受けている。また、赤十字(Red Cross)の現地責任者は地元テレビに対し、ボナンサ(Bonanza)の採鉱場で土砂崩れが発生し、ニカラグア人2人が巻き込まれて死亡したと語った。(c)AFP/Inti OCON