【11月4日 AFP】中米ニカラグア北部のカリブ海沿岸地域に3日、「カテゴリー4」の大型ハリケーン「エータ(Eta)」が上陸し、強風により木が倒れる、住宅の屋根が吹き飛ばされるなどの被害が発生した。

「カテゴリー1」だったエータは2日、カリブ海の暖流上空で急速に勢いを増して「カテゴリー4」に。3日、貧しい先住民の集落が集まる沿岸部に上陸した。同地域はエータ上陸直前の10時間で、すでに強風により大きな打撃を受けていた。

 北東沿岸部で最大の市プエルトカベサス(Puerto Cabezas)では、風速62.5メートルの強風が吹き、木が倒れたり屋根が飛ばされたりするなどの被害が確認されている。

 AFP記者らによると、市内では野球場のコンクリートの外壁が倒れ、折れた木が散乱した他、牛などの家畜が路上をうろつく様子も確認された。

 ニカラグア政府が現時点で死者が出たとの情報はないと発表した一方で、隣国ホンジュラス当局は、家屋の倒壊で子ども1人が死亡したと明らかにした。

 エータは4日から5日にかけて、ニカラグア北部とホンジュラス中部の内陸部に向かって移動することが予想されている。

 プエルトカベサスと同市に隣接する沿岸地域には、およそ10万人が住んでいる。その大部分が先住民族ミスキート(Miskito)とマヤグナ(Mayagna)の人々で、所得は国内で最低水準だ。

 政府は沿岸部から内陸部のシェルターに2万人を避難させたとしている。(c)AFP/Inti OCON