■「笑顔を絶やさないように」

 首都ヘルシンキの通りを行く買い物客や外食をする人たちの数は、新型ウイルスの流行発生前とほぼ同じ水準に見える。

 ヘルシンキの繁華街、プナブオリ(Punavuori)地区でレストラン「Yes Yes Yes」を経営するリチャード・マコーミック(Richard McCormick)さんは、屋外に設置した感染予防のガラスの小部屋に植物と照明器具をつるしていた。「プライベートな感覚で食事を楽しめるよう、誰かの家の居間のようにしてある」とマコーミックさんは語った。

 今年第2四半期のフィンランド経済は年率換算で前期比6.4%のマイナス成長となったが、マイナス幅はEU平均の14%よりも大幅に小さかった。

 それでも、外食業界への打撃は「壊滅的だった」とマコーミックさんはいう。入店者数を定員の50%以下とする規制と営業時間の短縮により、経営する2軒のレストランで多くのスタッフを解雇せざるを得なかった。

 だが、屋外の客席に制限はなく、ガラスの小部屋のおかげで「大半の仲間に戻ってきてもらうことができた」というマコーミックさん。「新しい日々の送り方を模索し、笑顔を絶やさないようにしないといけない」と話した。(c)AFP/Sam KINGSLEY