【10月15日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行の第1波が広がった今年、同感染症による直接または間接的な死者数は、調査対象となった欧米諸国で実際の方が政府の公式統計よりも平均20%多かったとする研究結果が14日、発表された。

 研究班は今年2月中旬から5月までの死者数について、同感染症のパンデミック(世界的な大流行)がなかったと想定した場合よりも20万6000人多かったと推算。

 これに対し、公式統計で発表された同感染症に起因する死者は、16万7148人だったという。

 研究では、原因不明の死者とされた約4万人のうちの多くは、実は同感染症に関係していたものの、特に感染拡大初期に病院が飽和状態となっていた一部の国で、全患者への検査が行われなかったために、コロナ関連の死者数に含まれなかったと分析している。

 この他、がん治療の遅延や、心臓発作や事故後に緊急治療が受けられなかったなど、医療サービスが滞ったことが原因で死に至ったケースもあったとみられている。

 同研究の調査対象は、英国、スペイン、イタリア、ベルギー、ブルガリア、ニュージーランド、スロバキア、オーストラリア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、オーストリア、スイス、ポルトガル、フランス、オランダ、スウェーデン。

 一方、米国医師会雑誌(JAMA)に13日に掲載された、死亡記録の分析に基づく論文でも、全米の年間死者数は通常であれば年によって大差はないにもかかわらず、今年3~7月には20%増加していたと示されている。(c)AFP/Marlowe HOOD