■「ロックダウンで生活が改善」

 フィンランド人は規則を守るだけではない。欧州議会(European Parliament)が実施した調査によると、フィンランドの回答者の23%がロックダウンで生活が改善したと答え、新型ウイルス関連の規制を欧州で最も肯定的に受け止めていることが分かった。

 その理由の一つとして、社会のデジタル化が進んでいるため、リモートワークへの転換が比較的容易だったことがあるとみられる。また控えめでアウトドア好きというフィンランド人の特徴も、新型コロナの感染抑制で一定の役割を果たしたかもしれない。

 それでもロックダウンによる孤独は、心の問題をめぐる状況を悪化させた。フィンランドはメンタルヘルスの問題を抱える人の割合が5人に1人と、経済協力開発機構(OECD)加盟国で最も高い。

 ヘルシンキ大学(University of Helsinki)のネリ・ハンコネン(Nelli Hankonen)准教授は、「社会的支援を受けることが難しくなっているかもしれない。これはわれわれがロックダウンにどう適応できたかというコインの裏側でもある」と指摘した。