仏教会襲撃、容疑者はチュニジア移民 1か月前に欧州入り
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【10月30日 AFP】フランス南部ニース(Nice)の教会で29日に発生し、3人が死亡した刺殺事件の容疑者が、1か月前に欧州に到着したばかりのチュニジア人の男であることが、捜査関係者の話から明らかになった。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は事件を「イスラム主義者によるテロ攻撃」と呼び非難した。
関係者によると、ブラヒム・アウイサウイ(Brahim Aouissaoui)容疑者(21)は9月末、移民船に乗りイタリア南部ランペドゥーザ(Lampedusa)島に到着。新型コロナウイルス対策として当局から隔離された後、イタリアからの退去を命じられ、今月上旬にフランス入りした。
ニース中心部にある教会で起きた今回の事件では、犠牲者の一人である女性が教会内で喉を切り裂かれた状態で見つかり、容疑者が頭部切断を試みたとみられている。容疑者の男は警察の発砲により負傷。治療を受ける際にも「アラーアクバル(アラビア語で神は偉大なりの意)」と繰り返し叫んでいたとされる。
仏政府は事件を受け、テロの警戒レベルを全土で最高に引き上げた。マクロン大統領は「フランスは自国の価値観を捨てることはない」と宣言。国内のカトリック信者らに対して哀悼の意を表明するとともに、全ての宗教の信者らに対して団結を訴え、「分断の精神」に屈しないよう呼び掛けた。(c)AFP