【8月31日 AFP】イタリア南部ランペドゥーザ(Lampedusa)島に29日夜から30日未明にかけて、370人近くの移民を乗せた漁船が上陸した。島の移民収容施設はすでに過密状態で、地元自治体は不法移民の増加に反発しており、自治体トップは政府に行動を促すためのゼネストを呼び掛けた。

 イタリア南岸にはここ数か月、毎日のように数百人の移民が上陸しており、政府はその対応に苦慮している。新型コロナウイルスの流行で導入された安全対策により、その対応はさらに困難になっている。

 伊通信社ANSAによると、367人を乗せた船は強風で沈む恐れがあり、伊沿岸警備隊と警察に誘導されてランペドゥーザ島に入港した。

 港では反移民の極右政党「同盟(League)」が主催した抗議デモが行われていた。

 伊メディアによると、28日から同島には計500人前後の移民を乗せた小型船約30隻が着岸しており、その大半はチュニジア沿岸から来たものだという。

 警察によると、30日には伊南部カラブリア(Calabria)沖で警察にえい航されていた移民船から出火。4人が死亡、2人が行方不明になり、5人が負傷した。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、地中海を渡り欧州を目指す移民船は今年増加しており、1月から7月までの移民の数は1万4000人超で、前年比で91%増だった。(c)AFP