【10月30日 CNS】チベット文化の絵画「タンカ(唐卡)」でパンダをテーマにした巨大な絵巻が、パンダの生息地の中国・四川省(Sichuan)アバ・ チベット族チャン族自治州(Aba Tibetan and Qiang Autonomous Prefecture)で完成した。40人のタンカ職人が1年かけた「世界初」の力作。成都市(Chengdu)の四川省図書館で披露され、多くの観客を魅了している。

 絵巻は長さ172メートル、高さ2.6メートル。アバ自治州に伝わる神話・伝説や豊かな自然、人々の暮らし、そして四川大地震による被害からの復興を描く中、600頭のパンダが登場している。600頭は世界中で飼育されているパンダの総数。天然の顔料と金箔(きんぱく)を用い、人々とパンダ、自然の調和を表現している。

 著名画家の邱笑秋(Qiu Xiaoqiu)さんが作品名「パンダ百図絵巻」を揮毫(きごう)。四川作家協会の阿来(A Lai)会長が作品の後に記す跋文(ばつぶん)を、赤地(あかじ)に金メッキを施した伝統技法で鮮やかに表現した。

 タンカは元来、チベット仏教の世界を描く掛け軸で、チベット族にとって最も神聖な芸術だ。職人たちは今回、伝統的なタンカの枠を超えて山水画の絵巻のスタイルを取り入れ、アバ自治州各地の特徴とパンダを伝統的技法でカラフルに描いている。(c)CNS/JCM/AFPBB News