【5月6日 CNS】中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)のポタラ宮(Potala Palace)管理処は4月30日、ポタラ宮の古文書「貝葉経(Pattra、ばいようきょう)」の保護の仕事を2018年12月から始めて以来、約2000巻3万冊、10万葉の古文書の調査・登録を完了したことを明らかにした。

 ポタラ宮管理処によると、これまでに行われた3回の「中国全国移動可能文化財調査」により、ポタラ宮には約6万巻10万冊の古文書が所蔵されており、中国語、チベット語、満州語、蒙古語、梵語(サンスクリット)などの多言語文書とチベット伝統絵画の「タンカ」、チベット医薬、人物伝記などの内容があることが分かっている。

 2018年12月からは、ポタラ宮は専門家チームをつくり、古文書(貝葉経)の目録整理、分類、比較対照などの研究を進めている。

 ポタラ宮古文書保護利用プロジェクトが始動して以来、中央政府は準備費用として1000万元(約1億5000万円)を支給、中国国家文物局は昨年と今年それぞれ3933万元(約6億円)を給付し、さらに資金1912万元(約2億9000万円)の使用を許可している。

 これまでに調査が終了した古文書の中で、ポタラ宮は16巻2182葉の貝葉経に対し、マルチスペクトルやハイパースペクトルなどの方式で画像情報を採集、古文書の病害情報の採集と分析も進め、病害スキャンによる実験的研究を基本的に完了し、次段階のデジタル化スキャンとOCR識別プロセス化に向け基礎を固めたとしている。

「ポタラ宮の貝葉経は、チベットの文化財保護施設の中で、量が最も多く、材質が特殊で、いまだに修復技術が見つかっていないので、繊維測定、保存環境温湿度測定、画材や顔料の溶解性試験などの研究をまさに進めているところだ」という。(c)CNS/JCM/AFPBB News