【10月24日 AFP】米政府は23日、中国が南シナ海(South China Sea)の漁場で「不安定化を招く悪質な」行為を続けている事態に対処するため、沿岸警備隊の艦艇を西太平洋に配備する方針を発表した。

 ロバート・オブライエン(Robert O'Brien)米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、中国は「違法」な漁を「野放し状態」で行い、周辺国の漁船に「嫌がらせ」をしていると非難。国土安全保障省傘下の米沿岸警備隊が、西太平洋で艦艇の母港化を戦略的に進めており、こうした艦艇で漁船の支援をはじめとする海上治安活動を行うと明らかにした。

 オブライエン氏は、「沖合での監視や取り締まりの実施能力が限られている同海域の同盟諸国と協力して、航行の自由を確保していく」と述べ、沿岸警備隊が南太平洋の米領サモア(American Samoa)に複数の艦艇を常駐させる是非についても検討していることも明らかにした。

 米政権は、中国が他国の漁場に軍艦を送り込んで自国の漁船を護衛させ、国際法に違反しているとたびたび非難してきた。 (c)AFP