【10月23日 AFP】仏パリのエッフェル塔(Eiffel Tower)近くでイスラム教徒の女性2人を刃物で刺し、ベールをはぎ取ろうとしたとされる容疑者の女2人に対し、当局は暴行の容疑で予審を開始することを決定した。司法筋がAFPに明らかにした。

 容疑者らは、エッフェル塔に隣接するシャンドマルス(Champ de Mars)公園で子連れのイスラム教徒の女性たちに出くわした時、酒に酔い、犬を連れていた。イスラム教徒の女性たちがその犬に危険を感じると苦情を言うと、容疑者の1人はナイフを取り出し、ベールを着用していた19歳と40歳の女性を刺した。

 40歳の女性は6か所を刺され、肺に穴が開いて病院で治療を受けている。19歳の女性は3回刺され、病院で治療を受けたがすでに退院している。

 被害者の女性2人はいずれも、容疑者の女2人に「汚いアラブ人」と呼ばれ、「ここはお前たちが住む場所ではない」と言われたと主張している。

 被害者側の代理人のアリエ・アリミ(Arie Alimi)氏によると、容疑者の1人は被害者らが着用していたベールを特に問題視し、「頭にかぶっているそれ」と呼んだ。さらに、被害者らのベールをはぎ取ろうとしたり、頭部を殴ろうとしたりしたという。

 容疑者2人は、人種差別発言については否定している。

 フランスでは先週、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画を授業で見せた教師が斬首されて死亡する事件が発生したばかりで、人種間の緊張が高まっていた。(c)AFP