【10月17日 AFP】仏パリやマルセイユ(Marseille)などの主要都市では、新型コロナウイルスの感染者急増を受けて17日午前0時から夜間外出禁止令が施行され、前日には最後の自由な夜を楽しむ多くの人の姿がみられた。

 仏保健当局によれば、新たに確認された感染者は15日に3万人、16日には2万5000人を超え、直近24時間の死者は122人とされる。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は今週、3~4月に病院の収容人数が定員を超過した事態の再発を懸念し、夜間外出禁止令を出すと発表していた。

 この措置により、同国人口の30%を占める約2000万人が、17日から最低1か月間にわたり、午後9時から午前6時まで不要不急の外出を禁じられる。

 禁止令の施行を控えた16日のパリ市内は、大みそかのような雰囲気で、バーのテーブルは客であふれ、笑い声が飛び交った。

 マクロン大統領の発表後に米調査会社ハリス・インタラクティブ(Harris Interactive)が行った世論調査によると、70%が同禁止令に賛成と回答しており、国民からは広い支持を得られていることが分かる。

 犬の散歩などで夜間に外出する際は、署名入りの証明書、あるいは携帯電話にダウンロードされた電子版の証明書が必要となる。所持していなかった場合は、2か月に及んだ前回のロックダウン(都市封鎖)中と同様、135ユーロ(約1万6700円)の罰金が科される可能性がある。また繰り返し違反した場合は、罰金額が最高で3750ユーロ(約46万4000円)に上る恐れもある。

 2週間の学校休暇を前に出された夜間外出禁止令には移動制限が盛り込まれておらず、多くの家族が都市部を脱出して地方に移るのではないかとみられている。

 一方、一部都市の当局は、夜間外出禁止令によって社会や経済に4週間は多大な損失がもたらされ、感染者が減らなかった場合はさらにその期間が6週間続く可能性に懸念を示している。(c)AFP/Joseph Schmid, Jürgen HECKER