【10月11日 AFP】メキシコ外務省は10日、米国の移民収容施設でメキシコ人女性の少なくとも2人が、本人の同意なく不妊手術を受けさせられたと発表した。

 発表によると、米ジョージア州の民間収容施設で不妊手術などの不規則行為があった疑惑が先月浮上し、同州アトランタ(Atlanta)にあるメキシコ領事館がこれらの件を確認したという。

 女性の1人は、子宮摘出術ではない「外科的介入」を本人の同意なく施され、術後、何のケアも受けられなかったという。

 メキシコ外務省は「総領事が医療専門家に意見を求めた後、この専門家は資料を綿密に調べ、医療行為に不規則または特殊な点があったとみている」としている。

 また、すでにメキシコに送還されている別の女性についても事実確認を行っているという。この女性も「本人の完全な同意なく婦人科手術を受けさせられた」とみられ、「医師の診断や医療行為の内容について、スペイン語での説明を受けていなかった」という。

 メキシコ政府は先月末、ジョージア州アーウィン(Irwin)郡の移民収容施設で、メキシコ人6人が同意なく不妊手術を施された可能性について調査を行っていると発表。この施設では収容者が米移民税関捜査局(ICE)による拘束下にあり、施設の看護師による内部告発で疑惑が明らかとなった。

 この看護師によると、収容されていた女性たちは、なぜ自分たちが子宮摘出術を受けなければならないのか十分理解していなかったという。(c)AFP