【10月11日 AFP】20F1第11戦アイフェルGP(Eifel Grand Prix 2020)予選で、体調不良のランス・ストロール(Lance Stroll)に代わってレーシングポイント(Racing Point)のドライバーを務めたニコ・ヒュルケンベルグ(Nico Hulkenberg)が、今回は知らせを受けてからマシンに乗り込むまで4時間しかなかったと話し、その間のいきさつを明かした。

 7月の第4戦英国GP(British Grand Prix 2020)でも、セルヒオ・ペレス(Sergio Perez)の代役として、連絡があってからわずか1日でF1復帰を果たした「スーパーサブ」は、今回は友人とコーヒーを飲んでいるときにレーシングポイントのオットマー・サフナウアー(Otmar Szafnauer)代表から電話をもらったという。

 ヒュルケンベルグは、「前回よりもさらにクレイジーでワイルドだったよ」と話した。

「1時間ほどの場所にあるケルン(Cologne)にいて、(独テレビ局)RTLの仕事があったから、いずれにせよ午後にはここへ来るつもりだった」「11時に友人とコーヒーを飲んでいたときにオットマーから連絡が入って『急いでくれ、君が必要なんだ』と言われた」「それで車に乗ってここへ来た。後は知っての通りだ」

 真面目なヒュルケンベルグは、1982年の年間王者ケケ・ロズベルグ(Keke Rosberg)氏から最近買ったポルシェでアウトバーンを飛ばし、予選前にニュルブルクリンク(Nurburgring)へ到着した。そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査を急いで受け、ストロールのマシンに乗ったが、予選Q1を4周走るのがやっとで、通過には0.5秒届かずに早期敗退となった。

 それでもヒュルケンベルグは、難しい状況だっただけに落胆はしていない。

「マシンの感触はシルバーストーン(Silverstone Race Circuit)のときとかなり違うし、コースも全くの別ものだ。マシンは進歩していて、いくつかの技術的な部分が大きく変わっているから、ドライバーに与える感覚も異なっている」

「だから、そのあたりに少し慣れて感覚を取り戻す必要があったが、当然ながら4周では簡単じゃない。だけど最下位とはいえ、全体としては走りにかなり満足している」

 ストロールの体調不良について、チームは新型ウイルス感染症と似た症状ではないと話している。(c)AFP