【10月9日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は8日、将来のブラジルGP(Brazilian Grand Prix)開催に向けてリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)に新しいF1サーキットを建設すべく森林を伐採する計画に反対の声を上げた。

 通算6度の世界選手権制覇を誇り、今週末に開催される第11戦アイフェルGP(Eifel Grand Prix 2020)でミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏の史上最多記録に並ぶF1通算91勝目を目指しているハミルトンは、レース前の公式会見に臨み、リオデジャネイロの新サーキット建設計画に関する環境保護団体の反対運動を支持した。

 ハミルトンは、「個人的な意見としては、世界は新しいサーキットを必要としていないということだ」「世界には素晴らしいサーキットがたくさんあるはず。僕はインテルラゴス・サーキット(Interlagos Circuit)が大好きだ。リオには行ったことがあるけれど非常に美しい場所だ。計画の詳細は分からない」と語った。

「持続可能なものになるかもしれないと聞いているけれど、人としてできる最も持続可能なことは木を切り倒さないことだ。特に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と闘っていて、世界で地球規模の危機が続いているこの時期には」「森林伐採とかあらゆる面で、賢明な動きとは思えない。理由の詳細は知らないが、個人的に支持できるものではない」

 ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)にあるインテルラゴス・サーキットとの現行契約が今年限りで切れるF1は、リオデジャネイロにある今は使われていないデオドーロ(Deodoro)の軍基地に新サーキットを建設してレースをカレンダーに加える予定で、プロモーターとも開催契約に合意している。

 デオドーロのサーキット建設地は森林地域となっており、計画が認められれば7万本の木が倒されることになると報道されている。しかし、地元のプロモーターであるリオ・モータースポーツ(Rio Motorsports)は、新たにその10倍の数を植えるとしている。

 一方、メルセデスはこの日、チームメンバーの一人が新型コロナウイルスの検査で陽性になったと公表し、ハミルトンも「間違いなく懸念」していると語った。

 F1で新型コロナウイルスの陽性者が出るのは、レーシングポイント(Racing Point)のセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)が7月の英国GP(British Grand Prix 2020)を前に、母国メキシコに帰国した後の検査で陽性が判明して2レースを欠場することになって以来となる。(c)AFP