【10月8日 AFP】東京五輪の主催者は7日、新型コロナウイルスによって来年に延期された同大会の費用について、人員から派手な演出まであらゆるものを削って簡素化し、約300億円削減されることになったと発表した。

 しかし、延期に伴う追加のコスト額がまだ公表されていないため、パンデミック(世界的な大流行)が起きる前は1兆3000億円と正式に見積もられていた大会の最終費用は不明のままとなっている。

 スイス・ローザンヌ(Lausanne)からオンラインの記者会見に出席した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、この削減を「状況を考慮すれば大きな成果」と評価した。「ほとんどが支出済みであり、動かす余地は限られている」

 五輪の簡素化案は前月に明かされており、経費削減には無料チケットを減らしたり、選手村の入村式を廃止したり、バナーやマスコット、食事を節減したりする策が含まれていた。

 IOC理事会への報告を終えた東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は、発表文の中で「簡素化の真の目的は、人々が新しい日常生活を送る中で、今後の世界規模のイベントにおけるロールモデルを示すこと」と記した。

 組織委によれば、新型コロナウイルス対策と延期によって生じた追加費用を含め、年内には新たな予算を見積もるという。(c)AFP