【9月26日 AFP】東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は25日、選手団の選手村入村式や派手な演出の取りやめなど、大会を簡素化するための項目を明らかにした。その一方で、国際オリンピック委員会(IOC)の幹部は、大会は「開催されなければならない」と強調した。

 新型コロナウイルスの影響で延期になった東京五輪の開幕まで1年を切る中、組織委とIOCが合意した50項目以上の経費カット案には、無料チケットの枚数削減をはじめ、広告バナーやマスコット、さらには花火の数を抑えることなどが盛り込まれた。

 大会延期による複雑な状況や追加費用の問題に加え、どうすれば大規模な世界的イベントを安全に開催できるのかなど、先行きが不透明な状況が続いているが、IOCの副会長を務めるジョン・コーツ(John Coates)調整委員長は、大会の中止は選択肢にないと断言した。

 東京で開かれた組織委とIOC関係者の調整委員会にビデオリンク方式で出席したコーツ氏は、「『開催は不可能』と言うのは非常に簡単だ」「しかし、われわれ全員が開催できるとの見解を共有している。大会は開催されなければならない。なぜなら、現世代の五輪選手たちを無視するわけにはいかないからだ」と述べた。

 組織委が公表した文書には簡素化された大会のイメージが描かれており、大会関係者の人数を10〜15パーセント減らすことや、主催者側の待遇を削る方針が示されていた一方で、アスリートの人数は減らさないと明言された。

 また、開会式および閉会式に関しても、スタッフやマスコミのほか大会関係者に配られる招待チケットの枚数が減らされ、恒例となっている派手な演出なども見直されることになっている。

 組織委の森喜朗(Yoshiro Mori)会長は「当時の考え方がかなり変わってきている」「多少は控えめで質素になるかもしれないが、みんなの力で開けたという喜びがわき出るような大会にしたい。そして、そのことが日本だけでなく世界中に大きな感動を与えられるようなものにしたい」と話した。(c)AFP/Natsuko FUKUE