【10月2日 AFP】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する誤情報の拡散を世界で最もけん引したのはドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領だとする論文が1日、米コーネル大学(Cornell University)の研究チームによって発表された。

 コーネル・アライアンス・フォー・サイエンス(Cornell Alliance for Science)の研究チームは、今年1月1日~5月26日に世界の英語の従来型メディアが報じた3800万本の記事を評価。米国、英国、インド、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、その他のアフリカ・アジア諸国で報じられた記事を収集するデータベースを使用した。

 その結果、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に関する誤った情報を掲載するか、増幅させたニュース記事は52万2472本に上ることが確認された。

 研究チームは記事を、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長を攻撃する陰謀論や新型ウイルスは中国がまいた生物兵器だとする見解など、11の主要なトピックに分類した。

 記事の数が圧倒的に多かったトピックは「奇跡的な治療法」で、29万5351本と他の10のトピックの記事の総数を上回った。

 研究者らは、トランプ氏の発言が「奇跡的な治療法」に分類される記事の急増をけん引したと分析。トランプ氏が4月下旬の記者会見で、新型ウイルス感染症の治療法として消毒液の注射を提案したことが増加につながったとしている。

 研究チームは「米国の大統領が新型コロナウイルス感染症に関する誤情報の『インフォデミック』を最もけん引した人物である可能性が高いとの結論に達した」と述べた。(c)AFP/Issam AHMED