【9月28日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は27日、アルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で発生した軍事衝突について「深く懸念している」と表明し、即時停戦を呼び掛けた。

 グテレス氏は報道官が発表した声明の中で、「アルメニアとアゼルバイジャンが直ちに戦闘を中止し緊張緩和に努め、有意義な対話に戻るよう強く呼び掛ける」と述べた。

 以前から対立しているアルメニアとアゼルバイジャンは、相手側が最初に攻撃を仕掛けてきたと互いに非難している。戦闘ではこれまでに少なくとも23人が死亡したほか、双方に民間人の死者が出ていると報じられており、2016年以降で最悪の衝突となった。ナゴルノカラバフをめぐり数十年間続いている紛争が新たな戦争に発展する懸念が高まっている。

 アルメニアとアゼルバイジャンはロシアとトルコも巻き込むと警告。米国は双方に停戦を要求し、「激化する軍事衝突に外部勢力が加わることはまったく助けにならず、状況を悪化させるだけだ」とする声明を発表した。

 イランは27日、アルメニアとアゼルバイジャンに停戦を呼び掛け、停戦とその後の交渉を仲介する用意があると表明した。フランス、ドイツ、イタリア、欧州連合(EU)も即時停戦を呼び掛けている。(c)AFP