【11月23日 AFP】長年対立関係にあるアルメニアとアゼルバイジャンの両首脳は19日、アゼルバイジャンのナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)自治州をめぐる紛争を解決する平和協定の締結を目指し、協議を行うことで合意した。

 欧州安保協力機構(OSCE)の発表によると、アルメニアのセルジ・サルキシャン(Serzh Sargsyan)大統領とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領はオーストリアの首都ウィーン(Vienna)で非公開会談を行い、平和的解決を目指してさらに交渉を重ねることで合意した。2年ぶりとなる今回の首脳会談は、ナゴルノカラバフ紛争の解決を目指すOSCEのミンスクグループ(Minsk Group)が主催した。

 今後、両国の外相はミンスクグループ共同議長国のロシア、フランス、米国の大使らと「和平プロセスの加速を目指す」協議を行う。

 また、ウクライナの首都キエフ(Kiev)で12月5、6日の日程で行われるOSCEの会議と並行し、両国の交渉へ向けた作業部会が行われる他、ミンスクグループ共同議長国の代表が年内にナゴルノカラバフ自治州を訪問する。さらに数か月以内に再度、アルメニアとアゼルバイジャンの首脳会談が行われるという。

 アルメニアとアゼルバイジャンは長年、ナゴルノカラバフ自治州をめぐって対立していた。90年代には同自治州の人口の約8割を占めるアルメニア人が「ナゴルノカラバフ共和国」の樹立を宣言し、これを認めないアゼルバイジャンと戦闘になり、94年の停戦合意までに約3万人が犠牲になった。同自治州の大部分と周辺地域は現在、アルメニア人の実効支配下にある。停戦後に和平協議が行われてきたものの、和平協定の締結には至っていない。(c)AFP