【9月24日 AFP】フランスを代表する料理家一族を率いてきた有名シェフ、ピエール・トロワグロ(Pierre Troisgros)氏が23日、死去した。92歳。同氏のレストランがAFPに対し明らかにした。

 トロワグロ氏と兄のジャン(Jean Troisgros)氏は、フランス料理の新潮流「ヌーベル・キュイジーヌ(Nouvelle Cuisine)」の確立に貢献。代表的料理であるサーモンのオゼイユソースは世界中で模倣された。

 フランス料理界の巨匠の死去はここ2年間で3人目。2018年には、トロワグロ氏の長年の友人であるポール・ボキューズ(Paul Bocuse)氏と、高級レストランガイドブック「ミシュランガイド(Michelin Guide)」で史上最多の星を獲得したジョエル・ロブション(Joel Robuchon)氏が相次いで亡くなっていた。

 ミシュランガイドはトロワグロ氏について、「ボキューズ氏と並ぶ巨匠であり、両氏は共に料理界に革命をもたらした」と説明。「彼の名は今後も明るく輝き続ける」と追悼した。

 トロワグロ氏と息子のミシェル(Michel Troisgros)氏は、ミシュランガイドで最高の評価となる三つ星を1968年から維持。レストランのある仏中部の地方都市ロアンヌ(Roanne)は美食家の巡礼地となった。

 トロワグロ家のレストランは68年に美食ガイド「ゴー・ミヨー(Gault & Millau)」で世界一の評価を受け、2007年にはレストラン格付けガイド「ザガット(Zagat)」でも世界一の評価を獲得した。

 仏リヨン(Lyon)近郊にある「ポール・ボキューズ」レストランは、「今晩、われわれの心は重く沈んでいる」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP