【9月23日 AFP】欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)は23日、難民の定住と難民申請を拒否された人々の本国送還をめぐり、その責任のより公平な分担策を模索していくための新構想を発表し、懐疑的な加盟諸国への協力要請に乗り出した。

 2015年の欧州移民危機から5年が経過し、2週間前にはギリシャのレスボス(Lesbos)島にある過密状態の移民収容施設で大規模火災が発生。「新移民・庇護(ひご)協定(New Pact on Migration and Asylum)」はようやく提案された。

 この新協定では、自国への移民受け入れや、移民の大半が上陸するイタリアとギリシャの負荷軽減に消極的な加盟国に対し、代わりに難民申請を拒否された人々の本国送還を担当することを提案している。

 移民の権利活動家らや難民支援機関は先に、難民受け入れ数の義務割り当てと、劣悪な環境の難民キャンプに取り囲まれた「要塞(ようさい)化された欧州」の終わりを求めており、今回の提案には失望を示している。

 にもかかわらず、この構想は加盟諸国から反発を受けることが予想されている。加盟国の多くが自国内で多数の難民を受け入れることは望んでおらず、EUが難民問題の責任を負うことに期待している。(c)AFP/Anne-Laure MONDESERT