【9月23日 AFP】北極圏(Arctic)の商業活用を図るロシア政府の意欲の象徴とされている巨大原子力砕氷船「アルクチカ(Arktika)」が22日、初航海に出発した。

 北極圏から液化天然ガスを輸送するために設計されたアルクチカはサンクトペテルブルク(St. Petersburg)のバルチック造船所(Baltic Shipyard)で建造され、全長173メートル、高さ15メートル。造船会社によるとアルクチカは厚さ2.8メートルの氷を割りながら航行できる。

 アルクチカは航行中試験を行いながら、母港となるロシア北西部ムルマンスク(Murmansk)に2週間で到着する予定。

 2016年に進水したアルクチカは、年間を通じて太平洋・大西洋間を航行可能にし、ロシア北極圏の輸送量の大幅な増加を目指す原子力砕氷船団の一角を占める。北極圏には大量の石油や天然ガスが眠っており、ロシアのほかにも米国、カナダ、ノルウェーなどが開発を図っている。(c)AFP