【2月8日 AFP】ノルウェー極北の人里離れた場所で、2人のフランス人冒険家が、次の大きな探検に向けて訓練を行った。

 マチュー・ベランジェ(Matthieu Bellanger)さんとルリー・ラグ(Loury Lag)さんは今月、アラスカに向けてカナダ東部を出発する。カナダ北極海諸島(Arctic Archipelago)を貫く北西航路(Northwest Passage)を行く、130日間の遠征だ。

 かつてはマッキンリー山(Mount McKinley)として知られていた、北米の最高峰デナリ(Denali)の登山も計画している。

 タトゥーが特徴的な30代の2人は、これから向かう極寒の地に近い環境を求めて、北緯69度30分のノルウェー・アルタ(Alta)にやって来た。目指す遠征先は、気温が氷点下25度から同30度に急降下する極端な環境だ。

 残念ながら、今年のノルウェーは暖冬で、日中は氷点下5度、夜間は同10度ほど。この時期の日照時間は、午前中の4時間のみだ。

 2人は、極寒の強風の中でも素早く動くことができるよう、決まった作業を繰り返し練習する。毎回、同じように、数分でテントを張ってはしまい、そりを丁寧に片づける。

 腰に取り付けたハーネスで引くそりには、生き延びるために必要なものすべてが積み込まれる。出発時には、それぞれ重量が約60キロもある。

 寝袋は氷点下60度の低温に耐えられるように設計されており、遠征中の食事はほとんどがフリーズドライ食品だ。特に活力をつけたいときのために、2人の友人でトップシェフのアルマン・アルナル(Armand Arnal)氏が用意した真空調理の料理もある。

 そして飲み物は、周りに有り余るほどある雪を解かして飲む。(c)AFP/Olivier MORIN