【9月19日 AFP】台湾国防部(国防省)は18日、米高官による異例の訪台中に中国軍が台湾海峡(Taiwan Strait)近くで軍事演習を実施したことを受け、戦闘機を緊急発進させたと発表した。

 台北では17日、米国のキース・クラック(Keith Krach)国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が3日間の訪台を開始した。台湾を訪れた米国務省高官としてはここ40年で最高位となる。

 台湾当局によると、クラック国務次官は18日、呉釗燮(Joseph Wu)外交部長(外相に相当)と会談し、米台関係と将来的な協力について協議。続けて、総統公邸で蔡英文(Tsai Ing-wen)総統との夕食会に臨む予定だ。

 中国は台湾を自国の一部とみなしており、必要であれば軍事力を用いて中国本土に統一させる考えを示している。18日の会見でクラック氏訪台への対応を問われた中国国防省の任国強(Ren Guoqiang)報道官は、中国が「台湾海峡近くで実戦的な軍事演習を実施している」と答えた。

 台湾国防部は、中国の爆撃機や戦闘機など18機が台湾南西部の防空識別圏(ADIZ)に進入し、台湾海峡の中間線も越えたと発表。台湾軍が「戦闘機を緊急発進させ、活動監視のための地対空ミサイルシステムを配備した」と明らかにした。(c)AFP