【9月17日 AFP】男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が、四大大会(グランドスラム)最多24勝を誇るマーガレット・コート(Margaret Court)氏の反同性愛の立場をめぐり、同選手の名が付けられた全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)のメイン会場の一つ、マーガレット・コート・アリーナ(Margaret Court Arena)の改称を関係者に促した。

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 マレーの発言の前には、女子テニス協会(WTA)の創設者であるビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)氏も、全豪オープンのメインスタジアムの一つである同会場からコート氏の名前を外すべきだと声を上げていたほか、多くのテニス界の重鎮からコート氏の見方に対して批判の声が続出していた。

 自身はグランドスラム3勝を誇り、全豪オープンでは5度準優勝を経験しているマレーは、英ウェブサイトPridelife.comのインタビューの中で「彼女(コート氏)が長きにわたり多くの人を不快な気持ちにさせ、傷つけてきたのは明らかだ」「選手たちが声を上げているのは確かだし、それは前向きなことだと思う」と語った。

「会場の改称に関して言えば、テニス界が考えるべきことだと思う。誰が最終的な決定を下すことなのかは分からないが、彼女の価値観はテニス界が支持するものではないと思う。全豪オープンに臨む時はテニスに集中したいものだ。だがコート氏の考えがその邪魔をする」

 敬虔(けいけん)なキリスト教徒で、現在はオーストラリア西部パース(Perth)で牧師になっているコート氏は、テニス界、特に全豪オープンで分断を招く存在となっており、引退後は人種や同性愛をめぐる発言がたびたび物議を醸している。過去には南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策を称賛したり、テニス界は「レズビアンだらけ」と発言したり、トランスジェンダーの若者を「悪魔の仕業」と称したりしたこともあった。(c)AFP