【9月11日 People’s Daily】中国は2025年までに、1万8800ヘクタールのマングローブ林を形成、修復する。形成が9050ヘクタール、修復が9750ヘクタール。中国の自然資源部と国家林業・草原局はこのほど、「マングローブ林保護修復特別行動計画(2020~2025年)」(以下、「行動計画」)を配布した。狙いは、現在のマングローブ林を厳格に保護し、合理的に修復し、マングローブ林の面積を拡大し、生物の多様性を高めることにある。

 マングローブ林は熱帯や亜熱帯の海岸の潮間帯に形成される。サンゴ礁や塩沼と同様に、重要な海洋生態系だ。海水をきれいにしたり、強風や高波による災害を防止したり、二酸化炭素を吸収、貯蔵したり、生物の多様性を守ったりするなど重要な役割を果たしている。このため、「海岸の護衛兵」とか「海洋の緑の肺」と呼ばれている。満潮時には水につかり、魚やエビ、カニ、貝などが成長、繁殖する場になる。干潮時には鳥類がエサを探す楽園になる。

 中国には現在、37種類のマングローブがある。広東(Guangdong)や広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)、海南(Hainan)、福建(Fujian)、浙江(Zhejiang)などの各省・自治区に分布している。国家林業・草原局湿地管理司の呉志民(Wu Zhimin)司長によれば、各級政府と関係部門の共同の努力の下で中国のマングローブ林の面積は過去20年近くの間に着実に増加、2019年には約2万9000ヘクタールまで増えた。

 マングローブ林保護で重要な役割を演じているのが自然保護地だ。マングローブ林が分布する自然保護地は合計52か所。自然保護地のマングローブ林の面積は合計1万5944ヘクタールで、全国のマングローブ林の55%以上を占める。どうすれば、自然保護地の役割をもっと効果的に発揮させられるだろうか。

「行動計画」はすべてのマングローブ林を「生態保護レッドライン」の対象とし、管理を厳しくする方針を打ち出している。国家自然資源督察機構が関係部門とともに、監督・査察を繰り広げ、マングローブ林の面積が減少せず、機能が低下せず、性質が変わらないようにする。

 中国のマングローブ栽培の最北部、浙江省では近年の海辺の湿地保護、海岸線整備により、世界各地でマングローブ林の面積が減少する中でその面積が増えている。(c)People's Daily/AFPBB News