■淡水引き入れアシ再生

 アシはある程度の塩分に耐える性質がある。だが、ラグーン内部の水は塩分尺度で0~15の範囲内のはずが現在は30で、海水に近い値となっている。

「ライフ・ラグーン・リフレッシュ」計画では、シーレ川(Sile River)の淡水の流路を変えてラグーンに流入させている。5月から運用されているこの人工水路は、計画での必要性や潮の満ち引きに応じて水の流量を調節することができる。

 また、ココナツ繊維でできた生分解性の障壁が、対象エリア内に淡水を封じ込め、アシが生育する助けとなる。

 計画では全体で約20ヘクタールのアシの再生を目指すと、スフリーソ氏は話した。

■「命であり世界」

「ラグーンはわれわれの命であり、世界だ」と話すのは、アマチュアの漁師と猟師で構成される環境保護団体の代表を務めるマッシモ・パラビッチーニ(Massimo Parravicini)氏(58)だ。

「ラグーンを保護すれば、その恩恵を最大限享受でき、子孫に伝えることができる」と語るパラビッチーニさんは、今回の計画で定期的にボランティア活動を行っており、この計画のことを「生態系にとって不可欠」と表現している。

 計画の成果は、フランスのイエール(Hyeres)、スペインのアルブフェーラ(Albufera)、ギリシャのネストス・デルタ(Nestos Delta)とポルト・ラゴス(Porto Lagos)など、同様の問題を抱える地域で共有される。(c)AFP/Celine CORNU