【9月10日 AFP】米政府は9日、イラクの駐留米軍を大幅に削減すると発表した。大統領選を2か月後に控え、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は以前から掲げてきた、海外での「終わりなき戦争」の終結という公約の達成を目指している。

 これでイラクの駐留米軍は現在の約5200人から3000人に縮小する。さらにアフガニスタンの駐留米軍の削減についても同様の発表があるとみられている。これらの発表の背景には、再選に向け厳しい戦いを続けているトランプ氏が、自身を調停者に見立てようとする取り組みがある。

 米中央軍(US Central Command)のケネス・マッケンジー(Kenneth McKenzie)司令官はイラクの首都バグダッドで、この決定は「イラクの治安部隊が独立して行動する能力が向上したとのわれわれの確信」によるものだと説明した。

 トランプ氏の前任者のバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領は2003年から続いていたイラク戦争の終了を目指し、駐留米軍の撤退を推進。しかし、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の伸長を受けてその後、方針転換を迫られ、ISと戦う国際連合軍を構成する駐留米軍の規模を5000人超に増強していた。今回の削減が実施されれば、イラクでの駐留米軍の規模は2012年以降で最小となる。(c)AFP/Paul HANDLEY