【9月9日 AFP】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は7日、ナチス・ドイツ(Nazi)の兵士とかぎ十字と並ぶ同社を象徴する「ビートル(Beetle)」の古い写真を掲示したとして、メキシコの販売代理店との取引を打ち切ると発表した。

 写真は先週末、首都メキシコ市のコヨアカン(Coyoacan)地区にある販売代理店を訪れた客がソーシャルメディアに投稿したもので、VWの目に留まった。VWは写真について、「憎悪と差別を強調した政権」を示すもので、「VWの企業イメージと完全に相いれない」とコメント。

 反ユダヤ主義と闘う人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Center)」の中南米支部は8日、「ナチスによる蛮行の犠牲者をしのび、迅速に対応した」として、VWを称賛した。

 第2次世界大戦(World War II)中に自社工場で強制収容所の収容者や捕虜に奴隷労働をさせていたVWだが、今では第三帝国(Third Reich)の歴史と向き合っているとの称賛を勝ち取ってきた独企業の一つとなっている。(c)AFP