中国公共交通で「顔パス」乗車続々導入
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【9月8日 東方新報】中国の各地の地下鉄で今年に入り、続々と、フェースID改札、つまり「顔パス」の導入が始まっている。8月28日には福建省(Fujian)福州市(Fuzhou)で顔パス改札による乗車が試験的に始まった。それまではスマートフォンによる電子マネー決済が主流だったが、スマートフォンを忘れても、スマートフォンの充電が切れていても、もう慌てずに済む。
市民はまず「e福州」アプリをスマートフォンにダウンロードして、駅の端末でセルフサービス登録し、自分の顔と支払い決済情報をひもづけするだけ。一度ひもづけすれば、手ぶらで「顔パス」で地下鉄改札口を通るだけ。
この顔パス改札はすでに福州地下鉄のあらゆる駅をカバーしている。スマートフォンをかざすよりも、顔パスの方が決済時間も瞬時で済むという。福州市はすでに全国最初の都市レベルでのフェースID公共サービスプラットホームをつくっており、地下鉄改札への応用はその一つだ。
黒竜江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)の地下鉄も7月1日から1号線、3号線の27駅で「顔パス」改札133台が導入された。乗客は「智恵行」というアプリをダウンロードし、支払い方法と顔認証をひもづけて登録すれば、利用できる。新型コロナウイルス感染症流行のため乗客はマスクをつけなければならないが、両眼球の近赤外線生体検知によってマスクをつけたままでも顔を識別できる。誤認率は10万分の一以下の精度という。マスクのまま「顔パス」が利用できる地下鉄改札システムを導入したのはハルビン市が全国で最初だ。
改札口にスクリーンとカメラが設置され、通りすぎる瞬間に乗客の顔を識別。その時間は秒単位だ。このシステムを開発した研究機関の一つである成都市(Chengdu)智元滙研究開発センターの厳軍(Yan Jun)社長によれば、地下鉄の乗車時に切符や交通カード、小銭などの実態物への接触がないことで、新型コロナウイルスの交差感染リスクを大幅に下げることができた、という。ハルビン市地下鉄の利用人数は一日あたりのべ30万人だが、2号線、3号線二期工事の路線にすべて導入されれば、およそ一日のべ100万人の乗客が利用すると予想されている。「顔パス」ならば、一分あたり20人以上が改札を通過できる。およそ3秒で1人の客が通過でき、改札口の混雑を大幅に改善できるという。智恵行アプリを使った「顔パス」乗車は1月21日から陝西省(Shaanxi)西安市(Xi’an)の地下鉄でも導入がはじまっている。
貴州省(Guizhou)貴陽市(Guiyang)では6月末から正式にモノレールとバス高速輸送システム(Bus Rapid Transit、BRT)で「顔パス」乗車が始まった。最初に約20秒かけて顔と支払い方法を登録すれば、次から手ぶらで何の操作もせずに改札を出入りできる。計算上では1000万人のユーザーを管理でき、誤認率は十万分の一。同一個人に対する誤認率は千万分の1という。
貴陽市は2019年にモノレール駅24駅と公共バス駅2〜3か所での「顔パス」試験運営を6か月行い、すでにのべ百万人以上のフェースID情報を蓄積。顔パス乗車で支払われた乗車料金は100万元(約1555万円)近くにのぼり、誤認はゼロだった。
貴陽では顔認識技術のほか、REID(複数のハードディスクの組み合わせで一つの仮想ハードディスクとして運用)や、語音識別、音声識別などのAI技術を導入。市内の至るところで業務処理に応用されているという。(c)東方新報/AFPBB News