【9月7日 AFP】民主党の米副大統領候補、カマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員は6日、米国に根付いた構造的な人種差別を否定するドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は「異なる現実」に住んでいると批判した。

 これに先立ちホワイトハウス(White House)は4日、トランプ氏が連邦政府機関に対し、職員を対象とした反人種差別研修への助成を中止するよう命じたと発表した。その際、トランプ氏は研修について「分断をもたらす非米国的なプロパガンダ」であり、米国が「本質的に人種差別国家」だと示唆していると述べていた。

 有色人種の女性で初めて米副大統領候補となったハリス氏は、CNNに対し「今日の米国の現実は、何世代にもわたって私たちが見てきたものだ。率直に言えば、米国には建国以来、2種類の司法制度があるということだ」と指摘。トランプ氏とウィリアム・バー(William Barr)司法長官を名指しし、2人とも「異なる現実の中でずっと時間を過ごしているのだろう」と述べた。

 バー司法長官は先週、米国には事実上、白人用と黒人用の2つの司法制度が存在するとの見方を否定。「人種差別という考えを広めることには、少し注意が必要だ」「それは、人々が言うほど一般的ではないと思う」と発言していた。

 ハリス氏は「いつも事実に注意を払っている常識的な人のほとんどは、人種に基づく格差が現実に存在し、法律の適用において人種差別を行ってきた制度が実在するということに異議を唱えはしないだろう」と語った。(c)AFP