【9月3日 AFP】ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)は2日、第5ステージ(ギャップからプリバ、183キロメートル)が行われ、ドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)が水分補給に関する違反でペナルティーを受けたことにより、ミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)が総合首位に浮上した。

 チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のワウト・ファン・アールト(Wout van Aert、ベルギー)が制した今ステージでアラフィリップは、残り17キロ地点で車から水のボトルを受け取ったことにより、20秒のペナルティーを科された。

 安全上の理由で残り20キロ地点からは車から供給を受けてはならないことになっているが、すでに持っている飲食物の摂取は認められている。

 イェーツは、「誰もこんな形でジャージーを受け取りたくない。呼ばれたときはバスに乗っていてホテルに向かうところだった」と不本意ながらも総合首位に立ったことを認めた。

「シャワーとかはすべて済ませていた。その後ジュリアンに聞いたら、タイムペナルティーを科されたと言っていた。だがあしたはこのジャージーを守るために全力を尽くす。一日一日だ」「あしたは大一番になる。ジュリアンは勝負はまだだと証明したいはずだ」

 一方、前回大会では14日間イエロージャージーをまとったアラフィリップは、冷静にペナルティーの一報を受け止め、「自分にできることはない。彼らが20秒のペナルティーを科すと決定した。それは彼らの選択だ」「まだ日にちがあるしチャンスもある」とコメントした。

 しかしクイックステップのトム・ステールス(Tom Steels)監督は、「こういう形でイエロージャージーを失うのは残念だ。20キロルールのことは知っていた。だが正直に言ってきょうは特殊な状況だった。あそこが彼にボトルを渡す唯一の場所だった」とやむを得ない状況だったと話した。

「ジュリアンには何の過失もなかったので、とてもがっかりしていた。ボトルから2回水分を補給しても競技的なアドバンテージは何も得られなかったのだから」

 第5ステージはファン・アールトが集団を抜け出して先頭でフィニッシュラインを切り、チーム・ユンボ・ビスマがステージ2連勝を飾った。

 また、3位でフィニッシュしたクイックステップのサム・ベネット(Sam Bennett、アイルランド)は、ポイント賞を通算7度獲得しているボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)からマイヨ・ヴェール(グリーンジャージー)を奪った。(c)AFP