【9月2日 AFP】ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)は1日、第4ステージ(シストロンからオルシエールメルレット、160.5キロメートル)が行われ、総合優勝候補の一角であるチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)が、今大会最初の山頂フィニッシュのステージを制した。

 ただし他の総合争いのライバルを脱落させるには至らず、総合首位はドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)のジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、フランス)が維持している。

 レースには絶好の日和の中、UTE(UAE TEAM EMIRATES)のタデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar、スロベニア)との僅差の争いを制して標高1800メートル超のゴール地点にトップでたどり着いたログリッチは、アラフィリップとミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)に次ぐ総合3位に浮上した。

 アルプス越えのステージは、選手の本当の姿をあらわにするといわれており、1971年大会でルイス・オカーニャ(Luis Ocana、スペイン)氏がエディ・メルクス(Eddy Merckx、ベルギー)氏に9分差をつけて圧勝したのがこのオルシエールメルレット(Orcieres-Merlette)だった。

 しかし、この日はそうした特徴は発揮されず、集団が平均勾配6.7度の上り坂で7.1キロメートルにわたる競り合いを必死に続けた末、16人の選手が同タイムでフィニッシュし、上位3人がわずかなタイムボーナスを得るにとどまった。

 恵まれた筋力を武器に、終盤に圧倒的な強さを見せるログリッチは、この日もそうした長所を生かしてステージを制したが、一方で前回王者のイネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)、グルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)の優勝候補ティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)らもタイム差なしで踏みとどまった。

 先月のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(Criterium du Dauphine 2020)で落車リタイアに終わって以降、目立った活躍がなかったログリッチは、「本当に厳しい一日で、勝てて良かった」「調子は日々少しずつ上がっているが、まだ以前の自分ではない。それでも第2ステージでは、まだバイクに乗れると思えた」と話した。

 また、今大会は開幕ステージでアスタナ(Astana Pro Team)のミゲル・アンヘル・ロペス(Miguel Angel Lopez、コロンビア)が顔から標識に突っ込む事故があったが、この日はチームサンウェブ(Team Sunweb)のティシュ・ベノート(Tiesj Benoot、ベルギー)が同じような危機一髪のアクシデントに見舞われた。

 26歳のベノートは、逃げ集団の一人としてダウンヒルに臨んでいたさなか、ガードレールに接触してそのまましばらく滑り、バイクのサドルも外れて頭から草むらに落ちたが、かすり傷一つ負わずに済んだ。(c)AFP/Damian MCCALL