【9月3日 AFP】ブラジルサッカー連盟(CBF)は2日、男子代表と女子代表に同一額を支払うと発表した。サッカー界で同様の誓約をしている国は少ないが、ほかにオーストラリア、ノルウェー、ニュージーランドがすでに同一賃金にすることを決めている。

 連盟のロジェリオ・カボクロ(Rogerio Caboclo)会長は、「CBFは男女間の賞金や手当を等しくすることに決めた。これは女子選手が男子選手と同額の報酬を手にすることを意味する」と発表した。

 これにより、あまり知られていないマルタ(Marta)、フォルミーガ(Formiga)、レティシア・サントス(Leticia Santos)といった女子選手が、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)、ガブリエウ・ジェズス(Gabriel Jesus)、ロベルト・フィルミーノ(Roberto Firmino)といった世界的スターと同じ報酬を受け取ることとなる。

 2019年3月、現世界女王の米国代表チームは、賃金や労働条件で差別をしているとして同国サッカー連盟(USSF)を提訴。今年5月に連邦地裁にこの訴えを棄却されたが上訴している。

 CBFは3月に女子代表チームとスウェーデン人指揮官のピア・サンドヘージ(Pia Sundhage)監督に今回の決定を伝えていたという。同監督は「これは歴史的だ。その一部でいられるのはとても特別なこと。心から感謝している」とコメントした。

 この方針は次回の男女のW杯(World Cup)のほか、来年に延期となった東京五輪に参加する代表チームに適用される。

 ブラジル男子代表はW杯最多5度の優勝を誇るなど世界で最も成功を収めている。一方の女子は2007年のW杯で準優勝。また五輪では2004年、2008年と2大会連続で決勝進出を果たすなど強豪の一角として君臨している。(c)AFP/Rodrigo ALMONACID