【8月29日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)と選手側は28日、アフリカ系米国人のジェイコブ・ブレーク(Jacob Blake)さんが警官に撃たれた事件を受けて、社会正義と人種的平等の推進をする計画に合意した。これによって、リーグは29日からプレーオフを再開することになった。

 NBAのアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーと選手協会(NBPA)のミシェル・ロバーツ(Michele Roberts)理事は、共同でコメント文を発表し、「29日にプレーオフを再開することで、関係者全員が合意した」と述べた。

「われわれはプレーオフ再開を楽しみにしていると同時に、(プレーオフ開催地の米フロリダ州)オーランド(Orlando)と全チームの市場において、有意義かつ持続可能な変化を推し進めるべく協力を続けていく」

 選手とリーグは連携して社会正義の連立を組むことで合意し、投票へのアクセス、市民参加の促進、警察および刑事司法の改革など、広範囲の問題に取り組んでいくことになった。

 その中には各チームがアリーナを所有・管理している本拠地での取り組みがあり、球団オーナーは地元の選挙管理委員会と協力して施設を2020年の本選挙の投票所にし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威の中で投票者の安全を確保していくとしている。この選択肢が使えない場合、球団オーナーは有権者登録や開票など、別の選挙関連用途でのアリーナ使用を模索していくという。

 NBAはディズニー・ワールド(Disney World)の隔離環境下でプレーオフが行われていたが、ミルウォーキー・バックス(Milwaukee Bucks)が26日に予定されていたイースタンカンファレンス・プレーオフ1回戦をボイコットしたことを発端に全試合が延期され、中断はこの日で3日目に突入した。

 こうしたNBAの動きを受けて、米国のスポーツ界はメジャーリーグ(MLB)、メジャーリーグサッカー(MLS)、女子プロバスケットボール(WNBA)、北米アイスホッケーリーグ(NHL)に加え、テニスでも社会正義への支持を訴えて試合が延期された。

 NBAでは29日、バックス対オーランド・マジック(Orlando Magic)、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)対オクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)、そしてロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)対ポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trail Blazers)のプレーオフが予定されている。(c)AFP