F1王者ハミルトン、レースボイコットの意思なし 米選手には共感
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【8月28日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、米スポーツ界でアフリカ系米国人が警官に発砲された事件への抗議が行われている中、今週末の第7戦ベルギーGP(Belgium Grand Prix 2020)をボイコットする意思はないとしながらも、自身はこれらの動きと同じ気持ちだと話した。
通算6度の年間優勝を誇り、今季のドライバーズ選手権でもトップを走っているハミルトンは、オンラインでの記者会見で、試合の延期にもつながった米国のアスリートの行動に感銘を受けたと話し、「彼らと一つとなり、ここ(欧州)で自分にできることをやるつもりだ」と語った。
「レースをしないことがどう影響するのかよく分からないし、これはこの先も続いていくだろう。だけど、これからも認知を高めたり前に進めたりしていくために、自分たちには他に何ができるのか、F1に働きかけていくつもりだ」
23日に米ウィスコンシン州ケノーシャ(Kenosha)で非武装のアフリカ系米国人、ジェイコブ・ブレーク(Jacob Blake)さんが警官に発砲された事件を受けて、同国のスポーツ選手は今週、試合をボイコット。今回の事件は、現在続いている人種差別や警察の暴力などへの抗議活動の波を世界中に広めた。
ハミルトンは、「米国で大勢の人々が自分たちの競技で行動を起こし、それが例えば、主催者やコメンテーターらにも広がっているのはすごいことだ」「だけど、それは米国のことであり、自分がここでそうすることで何か効果があるのか分からない。僕らはベルギーにいるのであって、米国にいるわけじゃない」と英テレビ局スカイスポーツF1(Sky Sports F1)に語った。
さらに、「向こう(米国)は大混乱だ」と付け加え、「大統領はただ座っているだけで何もしていない」との認識を示し、「人種差別によって、人々の命が毎日のように失われている」と訴えた。(c)AFP