【8月28日 AFP】台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は28日、米国産の牛肉と豚肉の輸入制限を緩和すると発表した。米国との貿易協定締結に向け、弾みをつける狙いがある。

 台湾はこれまで特定の牛肉と豚肉の輸入を禁じており、友好関係にある台米間の貿易協定締結を阻む主な障害の一つになっていた。

 蔡総統は記者会見で、「米国産の牛肉と豚肉の問題で、もしわれわれが極めて重要な一歩を踏み出すことができるのならば、包括的な台米経済協力の重要な始まりになると信じている」と述べた。

 台湾はこれまで、脂肪の少ない肉をつくるために米農家が使用する肥育促進剤「ラクトパミン」の全面禁止を理由に、米国産の全ての豚肉の輸入を禁止していた。今後、豚肉におけるラクトパミンの残留許容基準を設定する。

 さらに、米国で以前牛海綿状脳症(BSE)が発生したために禁止されていた、生後30か月を超える牛の肉の輸入も解禁する。

 米国は台湾の第2の貿易相手で、貿易全体の11.8%と、台湾側の輸入の12%を占める。

 台湾の最大の貿易相手である中国は、対台関係の悪化を受け、来月期間満了を迎える台湾との貿易協定を更新しない可能性も示唆している。(c)AFP