【8月28日 AFP】(更新、写真追加)安倍晋三(Shinzo Abe)首相が28日、記者会見を行い、健康上の理由を挙げて正式に辞意を表明した。安倍氏の突然の辞意表明を受け、次期首相の座をめぐる争いの火ぶたが切られた。

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 安倍首相は前回の辞任の原因にもなった潰瘍性大腸炎が再発したことを明かし、「総理大臣の職を辞することとする」と述べた。

 首相は、継続的な処方が必要となる新しい薬の投与を受けることになったと明かし、責務を果たす時間が十分に取れない恐れに言及。

「国民の皆様の負託に自信をもって応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断した」と説明した。

 首相は与党・自由民主党(LDP)が次期総裁を選出するまで、現職にとどまるとみられている。

 後継者については明確な合意は形成されていないが、麻生太郎(Taro Aso)副総理や菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官、石破茂(Shigeru Ishiba)元防衛相、自民党の岸田文雄(Fumio Kishida)政調会長が有力候補として取り沙汰されている。

 安倍氏個人は岸田氏を推しているとの臆測がある一方で、麻生氏が連立与党内で最有力派閥の一つを率いている。

 安倍氏は2007年にも、首相就任からわずか1年で辞任。任期途中での2度目の辞任を謝罪した。

「コロナ禍の中、任期1年を残し辞任することについて、国民に心より謝罪する」と述べた首相は、深く頭を下げた。(c)AFP