■共和党議員がスピーチに感銘

 2019年5月にバイデン氏が選挙運動を始めてからのジル夫人は、夫の応援者としてますますパワフルに活動。最初の予備選が行われるアイオワ州とニューハンプシャー州や、接戦が予想されるフロリダ州を遊説し、時には夫以上と思えるほど精力的に選挙運動を展開してきた。

 ジル夫人が夫を紹介する際によく言うのが、バイデン氏は中道の民主党員だけではなく、無党派層やトランプ氏に落胆した共和党員への訴求力が一番強い候補者であるということだ。

 ジル夫人は、夫の選挙運動の援護射撃として、こぢんまりとして親しみやすい雰囲気のイベントをたびたび主催するなど、選挙戦ではスタイリッシュで、快活で、効果的な存在であり続けた。少なくとも、新型ウイルスの感染拡大で人との接触を伴う選挙運動が中止されるまでではあるが。

 トランプ氏や、同氏陣営からの夫に対する攻撃にもしっかり耐えた。

 そしてジル夫人は8月18日の民主党全国大会で、共和党員を少なくとも1人味方に付けたようだ。

 共和党のリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員はツイッター(Twitter)に次のように投稿している。「ジル・バイデンは今晩、2人が信じる理念に基づき、彼女自身とジョー(バイデン)について見事に表現した」

「彼女は、意義ある人生を送ってきた傑出した人物だ」 (c)AFP/Olivier Douliery, with Michael Mathes in Washington