米黒人男性の銃撃めぐる抗議で2人死亡 母親が平静呼び掛け
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【8月26日 AFP】(更新)米ウィスコンシン州ケノーシャ(Kenosha)で黒人男性が背後から警察に繰り返し撃たれた事件をめぐり、2夜連続で暴力的な抗議デモが起きた。警察によると、抗議デモの最中に2人が射殺されたという。これを受けて男性の母親は25日、平静を呼び掛けた。
ケノーシャの警察は、25日夜のデモの最中に衝突が起き、銃で撃たれた2人が死亡したと明かした。「銃撃により2人が死亡し、もう1人の被害者は病院に搬送された。重傷だが命に別条はない」とツイッター(Twitter)で発表した。
ジェイコブ・ブレーク(Jacob Blake)さん(29)の母、ジュリア・ジャクソン(Julia Jackson)さんは「私たちに必要なのはただ祈りだけです」と述べた。
23日に現場で撮影された動画には、ブレークさんが自身の子ども3人が乗っている車に乗り込もうとした際に、白人警官に至近距離から7回撃たれる様子が捉えられていた。
ジャクソンさんの弁護人によると、ブレークさんは下半身がまひしており、「奇跡」が起きない限り再び歩くことは難しいという。
事件はニューヨークやミネアポリス(Minneapolis)など各地で激しい怒りを呼び、抗議活動に発展した。大半のデモは平和的なものだったが、車や建物に火を付ける参加者らもいた。
ジャクソンさんは、ここ2日間に起きた破壊行為は「息子や家族の姿に見合うものではない」と話し、米国内における団結と差別への糾弾を力強く呼び掛けた。
「私が美しい褐色の肌をしていることに、皆さんもうお気づきだと思います。でも自分の手を見てください。どんな色であっても美しいのです」
「神は木や花、魚、馬、草、岩を一種類だけ創ることはしませんでした。そんな神に、自分と同じ見た目の人間一種類だけを創るよう求めることなど、どうしてできるでしょうか」
ブレークさんの父親のジェイコブ・ブレーク・シニア(Jacob Blake Sr)さんは今回の事件を、警察による「無分別な殺人未遂」だと非難している。
「警察は私の息子をまるでどうでもいいもののように7回撃った。だが息子はどうでもいいものなどではない。人間なんだ」と涙ながらに訴えた。(c)AFP