【8月26日 AFP】米ウィスコンシン州ケノーシャ(Kenosha)で黒人男性が警察に複数回にわたり撃たれた問題で、男性に下半身のまひが永久に残る恐れがあることが25日、親族の話から明らかになった。同市では事件に抗議する人々が2夜連続で暴徒化し、建物に火を放ち街灯を破壊する事態となっている。

 撃たれたジェイコブ・ブレーク(Jacob Blake)さん(29)のいとこのハーマン・ポスター(Herman Poster)さんによると、ブレークさんは損傷した神経を修復する手術を受けている。ポスターさんは米ニュースサイト「デーリー・ビースト(Daily Beast)」に対し、「下半身がまひしている。(中略)まだ目が覚めていないが、歩けるようになる可能性は五分五分だと言われている」と語った。

 米国では最近、警察がアフリカ系米国人に正当な理由なく発砲したとされる事件などが相次ぎ、激しい怒りが巻き起こっている。

 公民権を専門とする弁護士で、ブレーク家の代理人を務めるベンジャミン・クランプ(Benjamin Crump)氏によると、ブレークさんは23日、家庭内での争いを止めようとした後、自身の子ども3人が乗っていた車に入ろうとした際に白人警官に撃たれた。現場に居合わせた人が撮影した動画には、車に乗り込もうとしているブレークさんに対し、警官が至近距離から7回発砲する様子が捉えられている。

 当局は、家庭内のトラブルについての通報を受け警察が出動したと説明しているが、警官2人が銃撃に至った理由は明らかにしていない。

 ケノーシャ市では全域に外出禁止令が出されたが、24日夜には命令に反して数百人が抗議を行い、重装備の警官隊が催涙弾を使用した。(c)AFP/Robert CHIARITO