■受けることのできない支援

 欧州最大の経済を誇るドイツは、同国の企業や国民をパンデミックの影響から守る目的で、貸付金や助成金、補助金が支給される時短補助などの救済策に1兆ユーロ(約125億円)を投じると約束。政府はさらに、失業手当や家賃補助の受給要件も引き下げた。

 それでもシェーンフェルトさんはこれらの支援を受けることができない。書類上はまだ離婚が成立しておらず、別居中の「夫」に十分な収入があるというのがその理由だ。

 ドイツの家族・高齢者・女性・青少年省はAFPの取材に対し、政府はひとり親の窮状を認識しており、大幅な減税、緊急デイケア、休校が理由で働けない場合の賃金の一部補償など、特別な支援策を実施していると説明した。

■「疲れてボロボロ」

 ポトチュニクさんは最近、ホームレスの人々に食事を配るボランティアをはじめた。

 そして、「食事をもらうために、来年は私がここに並ぶのだろうかと考えることがある」と複雑な思いを話した。

 一方のシェーンフェルトさんはひとり親を取り巻くこうした厳しい状況について、家庭を切り盛りし、子どもを満足させ、財布とウイルスの心配をするという一連の過酷なサイクルから一息つくことが、ひとり親には何よりも必要と語り、「シングルマザーは、もっと声を上げなければならない」と話す。

 ただ、「私たちは(すでに)疲れてボロボロ」になってしまっているため、行動に移すことがそう簡単ではないのだと付け加えた。(c)AFP/Michelle FITZPATRICK