【5月3日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まる前、ウェブカメラを使って生活費を稼いでいる「ウェブキャマー」のある女性は1日6~7時間、インターネット上でエロチックなショーを演じていた。

 7歳の子どもを育てるシングルマザー、アンヘラ・シアヌロ(Angela Cianuro)さん(仮名、26)の労働時間は今も変わらない。だが、南米コロンビアで外出禁止令が施行された3月25日以来、首都ボゴタのアパートでウェブカメラを使ってしている仕事の内容は、オンラインセックスやエロチックショーから一変した。

 シアヌロさんは今、家にこもる人々の声に耳を傾けることに多くの時間を費やし、ロックダウン(都市封鎖)の期間をどう過ごしたらいいのか途方に暮れている人たちのために、健康維持のエクササイズやダイエット相談、さらにはビジネス指南まで、あらゆるアドバイスを送っている。

 胸一面にタトゥーを入れ、髪を紫色に染めたシアヌロさんは「私たちは今、精神科医みたいになっている」という。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は「話のタネでもあるし、多くのユーザーにとって不安のタネでもある。私たちは彼らを助けようとしているんです」「エロチシズムを届けるときも同じで、一緒にいるという感覚や笑顔、優しさを届けている」

 ウェブカメラを使ったアダルトコンテンツのモデルは世界に15万人おり、その9割は女性とされる。コロンビアには4万人ほどのモデルがいるが、ロックダウンによるコンテンツ人気の高まりで恩恵を受けているのは一握りの有名モデルだけだと、シアヌロさんは思っている。

 シアヌロさんは1日200ドル(約2万1400円)前後を稼ぐことができている。だが、彼女ほど有名でない他のモデルの収入は、月給換算でコロンビアの最低賃金約243ドル(約2万6000円)に届くかどうかというところだ。

 それでもウェブカメラを通じて仕事をするオンライン性産業の働き手は、外出禁止令によって数百万人を脅かしている経済不況を今のところ逃れている。