【8月22日 AFP】マリの首都バマコで21日、大勢の人が通りに繰り出し、同国軍によるイブラヒム・ブバカル・ケイタ(Ibrahim Boubacar Keita)大統領の失脚を祝福した。

 18日にクーデターを起こした反体制派の兵士らは、バマコ近郊カチ(Kati)にある軍基地でケイタ大統領や政府高官らを拘束。21日には、多数の市民がバマコの中央広場に詰め掛けて国旗を掲げ、ブブゼラを鳴らした。

 集会は当初、ケイタ氏に抗議するために数か月前から大規模デモを率いてきた連合組織が反政府デモとして企画していたが、「マリ国民の勝利を祝福する」集会へと変わった。

 ケイタ氏の辞任を要求するデモを展開した野党連合「6月5日運動(June 5 Movement)」の支持者が集まった集会で演説に臨んだ軍事政権のイスマエル・ワゲ(Ismael Wague)報道官は、「皆さん、そしてマリの国民に、われわれを支持してくれたことへの感謝を伝えに来た。われわれは皆さんが始めた仕事を遂行しただけで、皆さんの闘いのおかげでわれわれがいると思っている」と述べた。

 同国の有力なイマーム(イスラム教の宗教指導者)で反政府運動の指導者でもあるマハムード・ディコ(Mahmoud Dicko)氏は21日、大統領を失脚させた軍事政権に謝意を表し、今後は政治と距離を置く考えを明らかにした。

 ケイタ氏の辞任を求める運動の動員に重要な役割を果たしたディコ氏は、「モスク(イスラム礼拝所)に戻る。私はイマームだ」と述べ、「マリの全国民を団結」させることを目指していたと語った。(c)AFP/Serge Daniel with Philippe Siuberski in Dakar